2019.07.26
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こんにちは、今週のブログ担当の田村です。
今週は何について書こうかなと考えていたのですが、ちょうど最近自分のネガフィルムからのデジタルスキャン方法が確立したのでそれをちょっと紹介しようかなと思います。
私はデジタルでも撮りますが、どちらかと言うとフィルムが好きです。
なので前回担当のブログで書いたように海外旅行でも重たいフィルムカメラを持って行きました。
ただフィルムで撮影すると言うことは、デジタルよりも圧倒的にコストがかかってしまいます。
ここで言うコストとは、うん十万するカメラ本体やレンズの価格の事ではなく、機材が揃った後で撮り続けるためのコストです。
フィルム自体の値段、現像代、スキャン代、また、現像&スキャンが終わって手元にデータが届くまでの時間。めっちゃかかります。
デジタルだと、撮り終わって、PCにRAWデータを取りこみ、デジタル現像して自分の思うがままのサイズで書き出す。この少しの作業にフィルムだと3日から7日程かかります。(ネット現像に依頼した場合ね)
しかも、現像が終わって値段を抑えるために小さなデータサイズでスキャンしてもらった写真が気に入って、大きなサイズで展示しようかと思ったなら、再度ネガを送付して展示に適したサイズでスキャンしてもらわなければなりません。またお金がかかります(時間も)
そこで私は調べて色々試しました。
現像を自分で行う事は、自分としては現実的ではないなと思ったのでそこは諦めました。
スキャンぐらいなら自分でもできると思い、まずは多々あるスキャナーの中から調べてCanonの9000F mark2を購入。決め手は、高解像度スキャンと中判フィルム、そしてポジフィルムでもモノクロフィルムでもなんでも来いと言う機能だったからです。
これでネガスキャンをしてCanon純正のソフトでポジに変換して写真データが出来上がりという流れです。
結果的には、これで良いかもとはじめに思いましたが、私がいつもネガ現像&スキャンを依頼している山本写真機店さんのスキャン結果と比べると全然見劣りしてしまいます。
スキャナーの特性上か自分でピント調整が出来ずなんだかディティールがボヤけて眠たい感じに。また、色合いなどの調整も純正のソフトでは自由度がそこまでなく自分の狙った色合いにすることが困難です。
さあ困った。
そこで新たに調べたら、デジタル一眼でネガフィルムを直接撮影しスキャンする方法に出会いました。
これだと、最終的に普段使用しているLightroomでの作業になるのでデジタルと同じような感覚でデータを扱えるためとても魅力的に思いました。
以下、その手順を紹介します。
【用意したもの】
・デジタル一眼 Canon6D (高画素のものであればあるほど結果的に良いかと思いますが私はこれしか無いので…)
・コピースタンド(三脚でも良い、真下を撮影できればなお良い)
・トレース台 (なくても良い)
・Nikonスライドコピーアダプター ES-1
・ステップダウンリング
・接写リング
用意したものをざっと説明しますと、私の手持ちのレンズに等倍で撮影できるマクロレンズがなかったため、接写リングが必要でした。これはレンズとカメラの撮像素子の距離を伸ばして焦点距離を変えて接写可能にするアダプターです。
Nikonのスライドコピーアダプターは撮影したいフィルムを固定するものです。このアダプターのフィルター径が52mmで、私のレンズは77mm。このままでは取り付け出来ないためその差を埋めるステップダウンリングも用意しました。
あとはフィルムをES-1に固定する際にフィルムが傷付かないための対策として、厚紙でフィルムを保護できるようにカットしました。後々感光していない部分が必要なため穴はフィルム1コマより大きく切り取ってあります。
これらを全て使用した撮影風景がこちらです。
どうです。ファイナルファンタジーのラスボスみたいでしょ。
撮影の設定はISO 2oo、F8、シャッタースピードはヒストグラムが右側に来るように設定します。
ピントは、ライトビューで拡大してレンズのピントリングで合わせます。もちろん撮影はRawで。
そうして撮ったデータがこちらです。
こうなります。だいぶ感じが分かってきますね。
ネガからポジに変換するための準備として、まずは色温度を調整します。ネガ特有の色合いを出すため、フィルムの感光していない部分を元にスポット調整します。厚紙を1コマより大きくカットした理由です。
そして、傾きを調整して1コマ分にトリミングしました。
元々は5472×3648(約2000万画素)だったのがトリミング後は4132×2754(約1130万画素)になっています。1130万画素あれば大体の展示サイズはOKなんじゃ無いでしょうか?違ったらごめんなさい。
そしてこれからポジに変換します。
調べたら、ヒストグラムを逆にすると言う方法があるのですが、
これだと、私的には色がついて見れるようになるだけで、フィルム本来の色だとかは全然違います。満足できません。
他に方法が無いかさらに調べると、Negative Labという有料ですがLightroomのプラグインソフトを見つけました。無料版をインストールして使ってみると、スキャン機のメーカーをノーリツやフロンティアなどそのメーカーの特性で現像できるように選択したり、フィルムメーカーをコダックやフジフィルムに選べたりしてとても良いと思います。
そのNegative Labで現像してみると、
ヒストグラムを逆にしたものと全然違う結果になりました。明らか過ぎでしょこれ。
Negative Labで色を付けたあとは、いつものLightroomでも微調整できます。ホコリ取りなどはこちらでポチポチした方が早いです。
ある程度調整して書き出したものがコレです。
どうでしょうか。十分ですよね。これで簡単にすぐにフィルムから大きなデータサイズでスキャンできます。
でもやはり山本写真機店さんと比べれば細かいところで負けると思います。
(山本写真機店さんでスキャンしたデータ)
色合いなどはこっちでも調整できるとして、やはり周辺のディティールでは違います。流石です。スキャン時のレンズを高解像度のものにすれば少しは改善するのかな?わかりませんけど。
とはいえ、今回紹介した方法は、簡単に自宅で写真を調整でき、データサイズも大きくできるため良い方法かとは思います。
みんな、今回のブログを読んで思ったでしょ?
フィルムめんどくさっ、俺デジタルで撮るわって。
よし、逆フィルム促進運動も完了したので良しとしましょう(フィルム業界の皆さんすいません…)
最後に告知です。
以前からブログでも告知させていただいていますが、しつこく言います。我々APART,初めての写真展を開きます!
2日間の展示ですが、ぜひ来てくださいませ!
あと約1ヶ月…!