2019.08.31
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- こんばんは。
本日は深夜にお届けいたします写真集のススメ。
お相手は毎度おなじみ私、和田でございます。
えっ?何故深夜になったかって?
皆さんお気付きですね、そうです、明日からのAPARTの写真展の準備のためですね。
会期は2日と短いですが、メンバーも在廊していますので是非作品について聞いていただければと思います。
場所はこちら。
自分は両日ともに16〜18時ごろの在廊となります。
お時間合えばお待ちしておりますので是非是非。
隣に有料パーキングがありますのでお車でお越しの際はそちらをご利用下さい。
それではまいりましょう。
まずはこちら。
やだなにこれ楽しそう。
こちらはウィーンとベルリンを拠点に活動する作家ハンナ・バッツとソフィー・トゥンによる作品集となります。
見ての通り、お互いにお互いを撮り合った写真が見開きで同じ構図で配置されています。
一見楽しそうなだけな写真集かと思いますが、色々なことが詰め込まれています。
こちらはIACKさんに書いてある説明です。
“写真史において女性は「ミューズ」として扱われ、見られる対象として撮影者、そして鑑賞者からの一方的な視線に晒されてきた。”
こちらは巻末の文書の抜粋です。
“良い写真家はモデルよりもどういうわけか自分自身を明らかにします。主観的な視線:彼らは、自分たちのために自分たちの表現の仕方を選ぶ”
これは写真史における女性の立ち位置への抵抗であり反撃になるのです。
反撃や抵抗という行為をここまで爽やかに成し遂げた彼女たちに拍手を送らざるを得ません。
素晴らしいなと思いました。
さらにこの写真集を見ていると、見ている鑑賞者側が見られている感覚に陥ってきます。
そのような鑑賞者側を巻き込んだ遊びのような愉快さも持ち合わせています。
素晴らしいなと思いました。
内容を理解していないとわからないことが沢山詰まった内容の濃い素晴らしい写真集だなと思います。
そして結構可愛い。
素晴らしい写真集だなと思いました。
さあ次に参りましょう!
早いっ!?何故かって!?
少し眠くなってきたからです。
次にご紹介するのは
やだ素敵なにこの表紙。
こちらの写真集はエストニア生まれ、サンタペテルブルク在住のユリア・ボリソヴァの写真集です。
写真集というかこちらはアーティストブックになりますね。
この作品はアメリカ人のパラシュートジャンプでデモンストレーションをおこなっていて、不慮の事故により32歳でこの世を去った気球師のシャルル・ルルーの人生の物語を綴った作品になります。
もうモノとしての価値が凄いです。
そこら辺の写真集とは違います。
折り紙を駆使した中身には様々な仕掛けが施してあり、これを全て手作業でおこなっているのかと思うと頭が下がりっぱなしでもう上げれません。
この作品は作家自身が撮った写真は多分ほぼないでしょう(生まれた時代が違いすぎるので)。
当時の写真やパンフレットを用いて1つの作品を仕上げています。
これも1つのカタチですね。
いつかしてみたいカタチだなと思います。
これは多くを語っても実際に見ないことには凄さは伝わらないと思いますので、明日の写真展に持って行って置いておくのでお気軽にご覧になってください。(販売はしていません。IACKさんに在庫あるかもしれませんので欲しい方はそちらをご覧になってください)
さて、今回駆け足で申し訳ないですが最後の作品です。
きました。
僕はこの写真集を見た時にかなりの衝撃を受けました。
こちらは金沢在住の写真家でIACKのオーナーである河野幸人さんの作品です。
現在100冊近く写真集を持っていますが、ベスト5に入るような写真集です。
あくまでも個人の感想ですよ。
けどほんとに素晴らしいなと思いました。
色々ありますが、今回特に強く思ったのは、紙の選び方が凄くいいなと。
真っ白のコピー用紙だとハッキリとした印象になるところを上手くボカして、嘘とホントの間のような空気を出してる気がします。
さらに半面に印刷し半面を折ることで透けないから曖昧さが次に引きづられるようで引きづられない。
その結果、存在しているはずなのに気にも留めない風景や瞬間をとても柔らかく不思議な空気で掴んでる。
不在の存在を優しく世界に提示してくれている。少し感じる虚無感というかポッカリ穴が開いた感覚はその流れから感じるのかもしれないなと思いました。
この作品は金沢で撮られた作品です。
そこにはこの時代に地方で撮る意味というのも考えさせられとても自分にとっては大きな写真集となりました。
是非機会があればご覧になって欲しい作品です。
いやー今回は駆け足になり申し訳ない感じでいっぱいです。
作家の方にも申し訳ない。
明日からの展示には何冊か写真集も置いておきますのでお気軽に壊さない程度にご覧になってみてください。
それでは、おやすみなさい。