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2020.03.22

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続々々・写真集とかのススメ

こんばんは!

ワニが死に、プロ野球幻の開幕戦となった昨日のブログの担当は私、和田です。遅れてすいませんでした。

さて、今回ご紹介するのはですね、一昨日かな?発表された日本最高峰の写真賞「木村伊兵衛写真賞」を受賞した横田大輔さんです。

以前から何回か別のブログでも紹介してきましたのでお気づきかと思いますが、そうです、私、フアンなんですよ。

彼の写真集だけで10冊ほど持っています。

そうです、私、フアンなんですよ、完全に。

今日はそんな横田大輔さんのことをちょこちょこと話できればなと思っています。

いやそれにしてもまさか選ばれるとは思ってませんでした。

僕は齋藤さんか池田さんかなーと思ってましたので。

今月号のアサヒカメラに各審査員がなぜ選んだか、なぜ選ばなかったが書いてあるので時間あれば立ち読みしてみて下さい(お店来たら全然見せますよ)

今日久しぶりに手持ちの大輔を古い順に見返してみました。

初期は今とは全く違うテイストなのですが、やはりその後の表現を連想させるような写真がいくつかあります。

あの頃から、んー、なんて言えばいいんだろう、黒い空気というか、ドロドロしたものを予感させているなと思います。

その後のback yardなどまではライアンマッギンレーの影響なども見受けられたりしますが、彼はそこから別の方向に向かっていきましたね。

彼の写真というのはものすごく内向的な写真というのが1つの特徴だと思います。

自分の内側の内側の内側の内側にどんどんどんどん入り込んでいく。

そうして産まれてきたOh!Fantastic!な写真達!写真集でいえば「color photography」などのような写真集ですね。

それを見て最初に思ったのは「これなんだろう?」でした。

なんだろうなんだろう、何かわからないけどめっちゃいいなコレ!って思ったことを覚えています。

そしてなんだろうなんだろうって考えた後でまさかの未使用フィルムを使って制作していたと知り「何も写ってないんかい!」ともう一段階驚いた覚えがあります。

彼の作品を理解するのはとてもとても難しいのですが、素晴らしいなと思う点の1つに、何かわからないけども想像することができる、見る人が入り込む余地、隙間、空白が存在しているところです。

もちろんそれは沢山の写真家の作品にもあるのですが、よく入り込む余地があるという時に使われるのは、自分の記憶の中の似たようなシチュエーションに置き換えてその写真を見たりするようなことなんですが、彼の場合はまた少し違うというか、んー、なんだろな…感覚的な表現になるのですが……一般的に夢と現実の間のようなことというと、どちらかというと素敵な感じのイメージをする気がするんです。しかし、彼の作品を見て感じる現実と夢の間は現実にしか思えない夢、しかもあんまりキラキラした場面ではない、なんであんなリアルな夢みたんやろ?みたいな感覚を覚えるんですよね。

何言ってるかわかんないっすけど。

それは彼の作品が他の作家とは違う表現方法を用いているために視覚的には見たことがない写真が飛び込んでくるが、被写体となっているものの多くは私達が普段から目にしているものばかりで何も特別なものを写していないからかなとも思います。

あと特徴的なのは、感情やメッセージ性がないこともあると思います。

それについては2014年に出版された秦雅則さんの「二十二世紀写真史」の中の横田大輔さんとの対談の中にこういうことが書いてあります。

「何も無い場所に何かを見てしまうという人間の意識や、逆に何も無いと思い込んでいるけれど、そこには何かしらを見る原因や要素は確かにあって、その何かを考えるきっかけになればと思っています。そのために閉塞感や虚無感という感覚はとても重要になってくるのではないかと思ってます。」

なるほど。

この閉塞感、空虚感、虚無感。これらの感覚を写し出そうとする時、僕は必然的に撮影者本人も同じ状態なのではないかと思っています。

つまりこの写真達は横田大輔が自分自身に向けた写真だったんではないかなとも思います。自分の中の空虚感を埋めるために。

彼の作品は今までにない気づきを与えてくれます。

現代アートというのは、答えを提示するものではなく、問題や今まで人が興味を示していなかったコトやモノを提起し、それについて考えるきっかけを与えてくれるものだと思います。

そして、横田大輔は写真家の枠を超えて現代アーティストになっていこうとしているのは最近の展示でのインスタレーションをみてもわかると思います。

もう1人の木村伊兵衛賞受賞者の片山真理さんも僕は写真を表現方法としている現代アーティストという認識でいました。

もしかすると今年の木村伊兵衛賞は写真とアートの関わりを考える上で後々大きな転換期になるような気もします。

これからも横田大輔さんにはまだ見たことのない新しい何かを見せて欲しいなと期待しています。期待せずにはいられません。

だいぶまとまりもつながりもない文章になってしまい申し訳ないですがこの辺で終わりにしたいと思います。

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

 

久しぶりのKOKUCHIのコーナーがやってまいりました!!!

そうです、私はアパートのKOKUCHI Angelです。

tokyoarts gallery さんにて、昨年も参加させていただいた大和田良先生のワークショップOBによるグループ展になります。

期間は4/3〜12になります。

今回は新作3点を展示、販売しております。

えー、コ○ナウイルスの影響で色々大変な中ですが、展示は今のところ行われる予定ですのでお近くにお越しの際は是非ご来場いただければと思ってます。

よろしくお願いします。

それでは!

また!

そのうち!

お会い!

いたしま!

しょう!