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2022.04.05

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ずっと俺のターン

こんにちは。

最近YouTubeで布施明の歌唱動画を見ながら、何故マイクが口から離れていくにつれ声量が上がっていくのかが面白すぎて何度も見返している和田です。

えっ?今回お前ちゃうやん?と思う方もいらっしゃると思いますが、ちょっとタイムリーに書けることが出てきたので順番勝手に無視して書きました。

今回書きたかったこと…それはですね…なんと…

 

 

サカナクション山口一郎が自費でナゴヤ球場(中日ドラゴンズ2軍球場)のスポンサー広告枠を購入し、フェンスにサカナクションと書き込んだと言うこと…

も、あるんですが、残念、写真の話をしなければいけません……

 

えっと、みなさん川内倫子さんという写真家さんをご存知でしょうか?

多分知ってる方も多いと思いますし、名前は知らなくても写真を見たらわかる方もいらっしゃると思いますし、は?舐めんなよ?と思った方もいらっしゃるようですね、ごめんなさい。

 

日本最高峰の写真賞である木村伊兵衛賞を受賞し、海外からも高い評価を得ている素晴らしい写真家さんです。

 

そんな川内倫子さんですが、何故今回のブログで書こうと思ったのかと言うと、そのキッカケはいつもお世話になっているIACKさんに、今回川内倫子さんの絶版になっていた写真集の新装版が並んでいたことがキッカケとなりました。

最初に感じたことは「ん?IACKに川内倫子?すげー以外な組み合わせ…」という感想でした。

最初に書いたように、川内さんは素晴らしい写真家であることは間違いないのですが、IACKさんに並んでいる写真集とはかなりジャンルが異なると感じたからです。

というのも、IACKさんが取り扱っている作品はコンセプトがとても明確な作品が多いからです。

そして、川内さんの作品というのは、日常を切り取った作品です。

これは、ご本人のホームページで見れる彼女の写真集の説明にもあります。

例えば初期の代表作の1つ「うたたね」の紹介文では、「鯉、雲、カラス、カーテン、おじいちゃん、タイヤ、目玉焼き、蟻、蝶など、ただ日常を撮った写真集。」という記述があります。

このような文章、どこかで見たことありませんか?

最初に川内さんは木村伊兵衛賞を獲得し、海外でも高い評価を得ていると書きましたが、僕の中での川内さんの一番のイメージは、「現在のアマチュア写真家に与えた影響マジハンパない人」です。

そうです、先ほどの川内さんの「うたたね」での紹介文は、アマチュア写真家の人がSNS等で作品を上げる時や、プロフィール欄に書いてある文章と、とても似ていますですはい。

 

いやぁ、僕もそんなこと書いたことあるなっていう記憶しかないですよ。ええ。

この「何気ない日常を切り取った写真」というのは、誰にでも、いつでも、どこでも、すぐにできてしまいます。麻薬です。

しかし、日常を写真で切り取るという行為はありふれてしまってはいますが、決して悪いことではありませんし、川内さんが海外から高く評価されている点は、まさにここに尽きると思います。

海外ではコンセプトを持つことにより見てくれる人に伝えるのに対し、川内さんはただ日常を切り取った断片を並べるだけで、彼女の伝えたいことを伝えた。

ここですね。これが彼女にしか中々できないことです。

日常の断片を並べながらも、1つの芯があり、彼女の考え方や思いが伝わることがコンセプチャルな作品を見てきた海外の人に衝撃を与えたんですね。

これは1つの日本的写真というものを海外に開いたのではないかとも思います。

僕は川内さんの作品を見て感じることは、生と死は表裏一体であり、等価であるということ。

彼女の写真には日々の暮らしの中で当たり前のように目にする光景が並んでいます。

例えば、花や草、虫はもちろん、台所で目にする光景、または花火や空などその季節によって移り変わるものなど様々ありますが、それらを並べた時に、上に書いたように、生と死の等価性というのがよく見てとれるように感じます。

あとは写真集のフォーマットが1冊の中で変化せず、常に中判フィルムの真四角フォーマットが続くのも淡々とした日々を表すのに適しているなと思いますし、現在これだけインスタグラムが浸透している世界で見慣れたこの真四角というフォーマットは若い世代にも写真集を見る中で違和感を与えず、スッと入ってくるだろうとも思いました。

今回復刻された作品は「光」に焦点を絞ってまとめられています。

 

コロナウイルスが世界中で多くの人々の生活を一変させ、さらに現在ロシアによるウクライナ侵略が行われています。

生と死について考えることが身近な今こそ、読むのに適した作品だと思います。

また、日常を写真で撮っているアマチュア写真家の方は、この作品を読み、自分が撮る日常の断片を並べるという作業において何かヒントを与えてくれると思うので、是非一度見ていただきたい作品かなと思います。

まあ中々できなることじゃないから川内倫子すげーってなるんですけどね。

 

今回のまとめ

「アマチュア写真家とアマチュア歌手は、川内倫子と吉田美和には手を出すな」

です。

 

あとですね、現在IACKで開催している写真家の古屋誠一さんの展示もとても良かったです。

亡くなった妻を題材とし、何度も再構成し直しながら作り続けられてきた写真集、その前後の作品や、彼がオーストリアで活動していた時に携わっていたことなど、沢山のことが見れます。来週いっぱいとなりますので、お時間あれば是非。

それでは、次回はプロ野球オールスター前後にお会いいたしましょう!