2020.08.31
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こんにちは
前回の投稿では好きな写真家や本があまりなくて
という内容でしたが、大事な人と本を忘れていました。
― 小西淳也 『子供の時間』 ―
聞きなれないかもしれませんね。
というのもこの方、私の会社の先輩なのです(現役)。
九州産業大学芸術学部写真学科卒業、微熱の肖像(新しい写真家登場シリーズ・第1回東京・コニカギャラリー)新しい写真家登場シリーズ特別賞。1995日本写真家協会新人賞受賞(受賞展、東京・コニカギャラリー)。1998Portraits(個展、石川・アルプラザ平和堂ギャラリー)。2000HUMANSCAPE~人の中へ~(企画展、清里フォトアートミュージアム)。2006子供の時間(個展、東京・コニカミノルタギャラリー)
ちょうど私が東京に赴任していた2014年に森美術館で開催されたゴー・トゥー・ビトゥイーンズ展にも作品が出展されており、その時はさすがに「何でうちの会社にいるんだろう?」と思いました。
大学時代から子供の写真は撮っていたようですが、この写真集に出てくる子供の写真は「可愛いらしさ」とは
違う別の「子供らしさ」が表現されています。笑顔の写真は1つもありません。
前書きにあるような、子供時代特有の「狂気」にも似た内面の1つのが引き出されているように感じます。
作家自身はそれを“子供たちにとっての自分の時間。デタラメで歪んだように見えるその世界は、現実と幻想の間の子宮的空間…”と表現されています
あまり分かったようなことを書いて見つかると怒られそうなのですが、私がこの写真集から教わったのは「本質を見る力」「被写体の内面をどう引き出すのか」ということでしょうか。
「子供はかわいい」というところから踏み込んで、子供がもっている内面の奥深くを観察する。
また、登場する子供たちは当時の社員の家族ですから、本人とは初対面というのがほとんどの中でどうやってこの
距離感で撮れたのかと今改めて不思議に思います。
距離感というより、撮影者いないんじゃないか?というぐらいです。
余談ですが、私はフイルム写真も撮りますが思うようにはまったく撮れたことないので、この写真集の作品をフイルムで撮ったと聞いたときは、高校時代に野球部の試合でその後プロに行く投手と対戦したけど速すぎて動けず、
やっぱ次元が違う人っているんやなと思ってたら投手でなく野手でプロに行ったのを知ったときのように色々察しました。
新品はもう無いと思いますが、ココで何枚かサムネで見れます(ページ内でリンクされている本人のウェブサイトは間違ってるっぽいのでクリニックしないでください。会社に言っておきます。)
「本質を見る」というのはシャッターを切る前のステップです。シャッターを切る前というのもとても大切なんですね。
ほな、また。
VANSHOW